よろめく私は 微笑みながら 遥か彼方 貴方のもとへ 揺らめく視界の その向こうには 両手を広げて誘う夢幻 砂塵が吹き荒れ 私を襲う 其処へ行くのなら もう戻れないと囁く 霞む月 視線を逸らして 貴方を想う 蜃気楼の街が 私の目指す場所 引き摺る足から 鎖が伸びる 重石は咎人の証 私は貴方を そして貴方は 私のことを愛していたから 遠い昔に 我らの祖先が暮らしていた 石の街並みも 私を阻んでいる よろめく私は 微笑みながら 遥か彼方 死者の世界へ 揺らめく視界の その向こうには 両手を広げて誘う貴方